「チュニジアワイン」と聞いて「美味しいよね!」と即答できる方はかなりのワイン通といえるでしょう。
ワインで有名な国といえば「フランス」や「イタリア」を誰もが真っ先に思い浮かべます。しかし、ワインの歴史を遡ると、その起源はコーカサス地方、現在のイスラエル辺りと言われています。そして海洋民族フェニキア人によって、中東から地中海を通じてワイン文化が西へと伝えられました。

フェニキア人が各地に築いた殖民都市の中でも「海の帝国」と呼ばれ、当時もっとも栄華を誇っていたのがカルタゴ、今のチュニジアです。温暖な気候と海外貿易によって経済力の下、農業と樹木栽培を発展させたカルタゴから、その後ローマへとワイン造りが伝えられました。つまり、チュニジアはフランスやイタリアが今日のようなワイン産地となるきっかけを担った、実は歴史あるワイン産地なのです。


チ ュ ニ ジ ア を 代 表 す る 赤 ワ イ ン
「Magon(マゴン)」
「Magon Majus(マゴン・マジュス)
古代カルタゴ時代、農学者であり醸造学者だったマゴン(Magon)という有名な人物がいました。彼の著したぶどう栽培の技術や複雑な仕込み方を含む農業専門書「マゴンの農業書」全28巻は、ラテン語、ギリシア語に翻訳されてヨーロッパに広まり、ワインがローマに伝えられたそうです。そんなマゴンの名を冠した「Magon」と「Magon Majus」は、南フランスでも人気の品種であるカリニャンやシラーから造られた、チュニジアを代表する赤ワイン。「Magon」はプルーンやブドウを干したような鉄分の多い果実の甘い芳香が特徴。若干のスパイシーさとふくよかな果実味がありますが、渋みはやわらかで全体的には優しい味わい。白身の肉に良く合います。一方、「Magon Majus」はフレンチオークで1年熟成されているため、より豊かでコクがあり、酸味・果実味・ボリューム感のバランスが絶妙で、ボリューム感がありながら重苦しさがなく、上品で優雅な味わいの魅惑的なワインです。全体的な味わいと酸がしっかりとしているので、油分が多めの料理とも良く合います。

地中海の温暖な恵みをたっぷり受けた完熟ブドウで丁寧に造られた、
魅力的なチュニジアの白ワイン
チュニジアワインの生産量の内訳を見ると、ロゼが60%〜70%、赤は25〜35%、白は5〜10%となっています。最も生産量の少ない白ワインですが、地中海沿岸の温暖な気候によってよく熟したブドウから、ブドウそのものがもつ上品な酸味と果汁の美味しさを丁寧な造りによって充分に引き出した、魅力的な白ワインが造られています。 「Soltane」はソーヴィニヨンブランの清清しく爽やかな香りと熟したシャルドネのトロピカルフルーツの香りが特徴の、酸とミネラル感のバランスが上品な辛口白ワイン。ひき肉料理によく合いますよ!

近代フランス資本と文化の影響を感じさせる
高品質・好コストパフォーマンスのロゼとスパークリング
古代カルタゴ時代、中東からワイン造りが伝わり、それがローマへと伝わった後、7世紀後半にはチュニジアはイスラム帝国のアラブ人に征服されます。以後、1200年もの間、イスラム教の国による支配が続き、チュニジアワインは長い受難時代を迎えます。しかし、19世紀後半、帝国主義の世界情勢が吹き荒れる中、チュニジアは1881年からフランスの植民地支配下におかれ、フランス人入植者がフランス文化を持ち込むと同時に、チュニジアに古代から伝わるワイン造りが息を吹き返すのです。

ケードクルビス社のスパークリングワインは、そのようなフランスからの文化と資本の影響を充分に感じさせる逸品です。シャルドネ100%によるブラン・ド・ブランで、シャンパンと同じ方法で造られる、本格派のスパークリングワインです。濃い黄金色で金柑や蜜柑の爽やかな柑橘系の香りと太陽やトーストのやや乾いた香りがあり、キレイな泡立ちです。適度なコクがあり全体的なバランスが上品で洗練された印象ながら、フルーティーさを兼ね備え、素直に美味しいと思える味わいです。世界のワイン市場的に見てもコストパフォーマンスに優れた一品といえるでしょう。  また、チュニジアで最も多く生産されている「グリ・ダマケット」と呼ばれるロゼワインも素晴らしいコストパフォーマンスのワインです。オレンジがかったサーモンピンクで、イチゴや缶詰のミカンのような甘酸っぱい香りがします。味わいは軽やかながら、黒ぶどうに由来するコクとかすかな渋みがアクセントとなっています。軽い揚げ物やひき肉料理をはじめ、あらゆる料理に良く合います。